間取りや設備を考える前に、安全性や資産性を検証。「みんなが住みたい家か?」

マイホームを買う時、間取りやキッチンなどの設備だけにこだわるのではなく、土地や建物の安全性をまずは確認しなければなりません。

また、資産価値があるかどうか資産性の検証をしないと、将来貸したり売ったりできなくなり、大きなおカネをかけて購入したマイホームが負債となってしまいます。

不動産を買う時の一つのポイントは、「みんなが住みたいと思う家」かどうかであり、そのためには「立地」がよいことが大前提です。

いくら広くて超高級設備で飾られた高級物件でも山奥にあれば誰も買いたい・借りたいとは思いません。それならば、都心の築古物件の方が価値が高いですし、建物内部はあとからでもリフォーム・リノベーションできます。

特に、これまで家が立ち並んできた歴史を紐解くと、やはり便利な立地の良い場所から人は住み始めています。一般的には中古住宅の中に価値の高い家が眠っているケースが多いことも知っておきたいポイントです。

検証するのはあなたじゃない!ダメな不動産屋は「素敵ですね」と御用聞き営業

このように、マイホーム購入にあたっては事前に知っておきたいことが多くあります。しかし、そういう知識やノウハウをお客様(買主)に求めるのは酷ともいえます。

例えば土地の安全性や資産性を考える場合、具体的にどのようなことをチェックするのでしょうか。ほんの一例をあげると、統計調査・防災調査・周辺施設調査、都市計画などを確認して、

「そのエリアの人口構成・商業統計」「世帯数・就学状況・推計世帯年収」「昼夜間の人口差」「最寄り駅の乗降客数」「火災や交通事故の発生件数」「犯罪発生件数」「地震時の揺れやすさ」「活断層の有無」「液状化の可能性」「洪水など災害時の影響」「土地の履歴」「周辺の避難場所」「駅・医療介護施設・警察・消防署の立地」「学校・金融機関の立地」「ショッピング施設・日常取扱店・コンビニ」「都市計画(立地適正化計画など)」「不動産価格の過去推移」「収益還元法による妥当価格(マンション)」「建物構造」「部屋の向き・階数・総戸数」「そのエリアの平均階高」…

などなど、調査する項目はいくらでもあり、それぞれを一つ一つ検証し総合的に判断することができます。

しかし、本当にこんなことを買主ができるのでしょうか。面倒…難しそう…こう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

もちろんご安心ください。これらを行うのは、お客様(買主)ではなく、(買主が依頼する)不動産仲介業者の役目です。

あなたを気持ちよくさせる営業は、数十年後に安全安心な生活を一変させる?

「マイホームを買う」というと、キッチンをどうしよう、間取りは何LDKがいいかな?と考えるかもしれません。

そして、その通りといえます。むしろそれがお客様(買主)がやるべきことといえるでしょう。

一方で、安全性・資産性などの検証業務や、住宅ローン減税制度など優遇制度の手続きフォローなど“面倒なこと”でありプロの知見が必要な“難しい業務”こそ仲介業者が実施するべきなのです。

やってはいけないのは、不動産のプロである仲介業者が“御用聞き営業”をすることです。あなたの設備や間取り選びに対して「それは素敵なお家になりますね」とお客様を気持ちをよくすることを目的としたフォローはご法度です。

その時はいいかもしれませんが、買って数十年経った後、安心な暮らしが土台から崩れてしまうためです。

専門家として検証を行い、リスク情報も積極的に伝える不動産エージェントを選ぶ

上述した通り、不動産業者は「長い目でみて安心安全な家かどうか」をしっかり検証することに力を注ぐことが求められます。

設備や間取りも、個性的過ぎるものは将来売りにくくなり資産価値を下げる可能性がります。

家選びには、「将来の買主が喜ぶか?」といった冷静な他人視点も必要です。万人受けする家が一般的には売りやすく貸しやすいのです。そういった客観的なアドバイスを行うのも、不動産会社の大きな役割の一つです。

お客様は不動産屋からの報告を受け、分からないことがあれば、何度でも聞けばいいのです。

つまりお客様(買主)にやって欲しいことはただ一つ、「検証業務を徹底して行い、それを分かりやすく伝える不動産会社を選ぶ」、ただこれだけです。

不動産の専門家(プロ)としての知見や経験をフル活用し、かつ、取引のリスクやネガティブ情報などマイナス面まで含め、知り得たことを積極的に開示してくれるエージェント(不動産会社)を選びましょう。

日本での当たり前がアメリカでは非常識?「誰を通じて買うか」を重視

実は、このような徹底した検証を行ってマイホーム購入を検討するのは、不動産先進国のアメリカでは当たり前のことなのです。

米国では、エージェント型仲介といって、同じ物件であっても「誰を通じて買うか?」を消費者が重視します。物件情報のところに、エージェント(不動産のプロ)の顔写真が掲載されていたりもします。

一方、日本では物件情報だけ並べられます。資産性の検証はおろか、「買う時に売ることを考える」という欧米では当たり前の考え方もあまり浸透していません。

日本は「新築」を買う割合が8割を超え、しかも「新築の方が気持ちがいいから」という漠然とした理由が最も多いとのアンケート結果もあります(国交省調査)。合理的な欧米人は、中古住宅を買う割合が7~9割にものぼります。

そもそも「新築」vs「中古」という構図ではなく、新築であっても中古であっても、「資産価値がある物件」を買うという意識を持つことが大切だと思います。

その資産性を見抜くのはあなた(お客様)ではなく、不動産業者(エージェント)の役割です。「誰を通して買うのか?」をしっかり意識してくださいね。

会社名ではなく個人名が大事、物件情報ではなく仲介サービスで勝負する

不動産先進国のアメリカでは、有能な営業担当者(個人)をヘッドハンティングして引き抜くことは日常茶飯事です。

プロ野球選手に対して、高額な年俸を提示し、球団が競いあって選手を獲得するようなイメージです。日本の会社は、“会社名”が有名ですが、米国ではエージェント“個人名”で勝負するのですね。

消費者が“誰を通して買うか”の重要性を理解している米国だからこそ、会社側としても優秀な営業担当者を自社に雇い入れたいのです。

実は、米国における物件情報の公開は日本とは比べ物にならないほど進んでいて、そもそもアメリカの消費者は物件情報に価値を置いていないともいえます。

仲介サービスそのもので勝負。そこに物件情報はまったく関係ないのです。

何千万円もするマイホームを買うなら、目先のことにこだわらず長期的視野で!

考えてみてください。何千万円もする資産を購入するのです。

目先のことにとらわれず、長い目でみて本当に買っていい物件かどうかを考えてから買いたいものです。

そして、家の資産価値を見抜くことは、資産価値を徹底して検証できる不動産会社を選ぶことと同じであり、そしてこれに尽きます。

しかし残念ながら、少なくない業者が、物件を売ることだけに力を入れる「物件紹介屋」「契約代行業者」であるのが実態です。都合のいい物件だけを紹介して契約を迫るのです。

長く安心な暮らしを実現するためにも、まず「不動産」の前に「不動産屋」、慎重に選びましょうね!

 

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