マンションの大規模修繕は資産価値に大きな影響を与える

マンションは12年に一度を目安として、大規模修繕を行います。

大規模修繕工事は、あらかじめ立てておいた「長期修繕計画」に従って、外壁や屋根の防水など建物の主要な部分について新築時と同様まで回復させる工事です。

この工事は多額のおカネを必要とされるため、毎月、マンションの住人(所有者)から一定額を集めて積み立てておきます。これが「修繕積立金」です。

おカネが足りないなどの理由で、工事を適切なタイミングで行えなければ、マンションの劣化が加速します。先延ばしをしてしまえば、結局さらに大きな工事が必要となり、雪だるま式に必要な工事代金が増加してしまいます。

約5年に一度、マンション管理の実態を把握する国交省の「マンション総合調査結果(2013年度)」によると、修繕積立金の積立額が不足しているマンションが「16%」にものぼります。

(管理組合が銀行から借り入れたり、修繕積立金を増額したりできずに)積立金が足りない事態に陥り、計画していた工事ができないマンションは少なくありません。そのようなマンションは価値が下がり売れなくなってしまいます。資産価値に大きな影響を与えるのです。

値上がりリスクあり。家計を圧迫しないかファイナンシャルプラン作成を!

積立金の徴収方法には、大きく2つあります。

今後30年間の修繕にかかる総費用を均等に毎月集める「均等積立方式」と、建物が新しい時は負担が軽く、年数が計画するにつれて積立金を増やしていく「段階増額積立方式」です。

新築マンションは、買主(お客様)の購入コストを低くみせることなどを理由に「段階増額積立方式」を採用していることが少なくありません。

将来の値上がり時に、毎月の住宅ローン負担とあわせて家計を圧迫しないか、事前に長期修繕計画を確認した上でファイナンシャルプランを立てましょう。

また、毎月一定額を積み立てていく「均等積立方式」であっても、値上がりするリスクは十分あります。長期修繕計画は一度立てたら終わりではなく、5年ごとを目安として計画を見直していくためです。

さらに住まい方の変化によって、時代に応じた共用設備の入れ替えなども必要となってきます。物価や金利、消費税率など経済状況の変化によっても積立金の額は変わります。将来値上がりするリスクは常につきまとうことをしっかり理解しておきましょう。

修繕積立金は安すぎても高すぎてもダメ。額が適正かどうか確認する

「修繕積立金が安い物件は毎月の支払いが安くなってお得」と感じますが、将来、建物が劣化、設備なども陳腐化して二束三文での売却しかできなくなってしまいます。

なにより快適な住環境が保たれず、場合によっては安全性も脅かされてしまいます。

一方で高すぎるのも問題です。計画がずさんであったり、発注業者を見直すことで資金を効率的に使うこともできます。施工内容を精査し、無駄なおカネを使うことになっていないか点検することが大切です。

どのようにチェックすればよいでしょうか?そこで参考になるのが国交省が示している適正価格です。

適正価格を国交省が目安を示している。SelFin(セルフィン)でも簡単チェック!

国交省は「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を策定しており、その中で金額の目安を示しています(区分所有者が自ら居住する住居専用の単棟型のマンションを対象とし、均等積立方式による月額の目安)。

この計算式は、「長期修繕計画作成ガイドライン」に概ね沿って作成された長期修繕計画の84事例を収集・分析し、「平均値」と、多くの事例(事例の3分の2が)収まる「幅」を示すものです。

積立金額の目安=(A)×専有床面積+(B)×台数×住戸の負担割合(※)
※専有部分の床面積の割合とすることが多い

積立金はいくらが適正なのかを算定するのは、個々のマンションの規模や設備、事情によって大きく異なるため難しい面があります。

国交省の示すのはあくまで目安であって、この範囲に収まらないからといって直ちに不適切ということではないことに注意しましょう。

【(A)専有床面積あたりの修繕積立金の額】

階数 平均値 2/3が包含される幅
15階未満 5,000㎡<延床面積 218円/㎡・月 165~250円/㎡・月
5,000㎡≦延床面積<10,000㎡ 202円/㎡・月 140~265円/㎡・月
10,000㎡<延床面積 178円/㎡・月 135~220円/㎡・月
20階以上 206円/㎡・月 170~245円/㎡・月

【(B)機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費】

機械式駐車場の機種 1台あたりの修繕工事費
2段昇降式(ピット1段) 7,085円/台・月
3段昇降式(ピット2段) 6,040円/台・月
3段昇降横行式(ピット1段) 8,540円/台・月
4段昇降横行式(ピット2段) 14,165円/台・月

具体的な計算例は以下をご参考ください。また、無料のセルフインスペクションアプリ「SelFin(セルフィン)」でも簡単チェックが可能です。ぜひご利用ください!

マンションの修繕積立金。額と将来の値上がりリスクを確認!

中古マンションを買う時は、前所有者の滞納がないか確認する

新築マンションであれば、長期修繕計画や積立金の金額などについて、売主である不動産会社から丁寧な説明があるでしょう。

しかし、所有者が個人となった中古マンションの場合には、詳細な説明がないことも少なくありません。

大規模修繕の履歴や今後の計画、積み立て不足がないか、売主の滞納がないかなどをできる限り詳しく確認してももらうよう仲介業者にお願いしましょう。

売主が管理費や修繕積立金を滞納しているまま、その物件を購入してしまうと買主がその支払い義務を引き継ぐことになってしまいます。

売買代金から滞納分を差し引いて契約・決済を行うなどで対応しますが、後々トラブルとならないためにも、しっかりと不動産会社に説明を求めましょう。

購入検討中のマンションの管理状況を「SelFin(セルフィン)」でチェック

ここでご説明したマンションの修繕積立金を、簡単にチェックできるツールがあります。

AI(人工知能)がビッグデータから瞬時に“買ってもいい不動産か”を判定するWebアプリ「SelFin(セルフィン)」です。しかも無料でご利用できます。


この「SelFin」は、マンション価格の妥当性や流動性(将来の売りやすさ)、耐震性、住宅ローン減税の適用可能性、管理状況などもあわせてチェックできる優れものです。

ぜひマイホーム購入のお供としてご利用くださいね!

 

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