FAXは時代遅れではない!?不動産会社がメールを使いたがらない理由とは

不動産屋が電話やFAXを好む大きな理由は、スピードや正確さのため?

多くの不動産屋さんが電話やFAXで情報のやり取りをします。

特にFAXについては、白黒で画像も荒くなり不鮮明なことが往々にしてあります。メールにファイルを添付すれば、書類もきれいに送ることができます。

それでも不動産会社のやり取りでは、メールではなくFAX(ファクシミリ)で行われることが多いです。

「古い業界だから」「年配の人も多くパソコンに慣れていないから」など様々な理由が述べられていますが、「スピードが求められる場面が多いから」というのも大きな理由なのです。

図面情報などをメールでやり取りすると、時間もかかり間違うリスクもある

例えば、不動産会社Aが賃貸物件をREINS(レインズ)で検索している時に、図面情報が載っておらず、元付仲介業者B(大家さん側の不動産会社)に「図面を送ってくれ」とお願いする場合があります。

この時、依頼されたB社がメールでA社に書類を送る場合には、相手のメールアドレスを聴くことにまず時間がかかります。そして、少なくない頻度で“聞き間違え”や“打ち間違え”で届かない…という場合もあります。

メールを送る際には、ファイルを探して添付し、挨拶文を書いて、送信という手順を踏むのも面倒です。

一方、FAXの場合にはA社のFAX番号を聴くだけで間違えることもほとんどありません。依頼されたB社は、紙一枚ですぐにFAXを送ることができます。

そもそも、問い合わせをした業者はお客様を目の前で接客している可能性も高く、わざわざメールでファイルを受信して印刷をして…という時間をかけたくないシチュエーションかもしれません。

賃貸物件では一瞬が勝負となることも。内見すればわかるので汚い図面でいい

お客様は、物件を複数みますので一つ一つに手間取っていては「もうその物件はいいよ」となってしまいます。

特に店舗にフラッとご来店されたお客様(その不動産会社を初めて知った方)の場合は、物件勝負となることがあり、一瞬一瞬が大事になることがあります(特に賃貸物件の場合)。

ですので、短時間で手間をかけずにまずは画像が荒くてもいいので情報を確実にやり取りすることを優先したい事情があるのですね。ただ単に、物件を多く抱えていて手が回らないという事情もあるとは思いますが。。

ただ、図面がどれだけ汚れていても、内見(内覧)すれば図面に載っている間取りや設備の状況はわかります(もちろん、内見にいくかどうかの判断位迷う場合は綺麗な図面の方がよいのですが…)。

それよりもスムースな対応を取り、時間を無駄にしたくない・お客様の関心をつなぎ留めておきたいという意識が働くのです。

最新状況をすぐ問い合わせるには電話。効率的な取引で無駄な時間を減らす

物件をREINS(レインズ)に登録した元付会社Bは、多くの客付け会社から電話が頻繁にかかってきます。

例えば、お客様の希望を聴いた不動産会社Aが物件を検索し、複数の候補をあげます。そして関心の程度の差はあれ、5物件にお客様が興味を示したとします。

すると、この5物件の元付業者それぞれに「〇〇の物件はまだご紹介可能でしょうか」とわざわざ電話で確認するのです。REINS(レインズ)にまだ掲載されていれば、現在募集中という意味なのになぜ電話を掛けるのでしょうか。

それは、物件はいつ申し込みが入るかわかりませんし、元付業者がREINSの登録を削除するにもタイムラグがあるためです。まさに今現在の最新状況を聞くために確認するのです。

本格的に物件の検討に入ったり、内見をしよう!と決める前に、すでに他の人の契約が決まっていれば、無駄な作業になってしまいます。なによりお客様の大切な時間を浪費させることになってしまい、まずは電話で物件の在庫確認をするのです。

内見のためのカギ受け渡しは、受け取りか現地対応(キーボックス)

お客様が内見をしたいという場合には、不動産会社Aはその物件を管理する不動産会社Bに「お客様が内覧を希望されていますが、内見方法を教えてください」と聞きます。

B社の回答は大きく2つです。「鍵を弊社に取りに来てください(カギの受け取り)」または「現地にキーボックスを付けています(現地対応)」です。

キーボックスというのは、カギを入れた箱(ボックス)です。

この箱は、アパート・マンションの分かりにくい場所に取り付けられています。カギが入っている箱が目に付く場所にあると、そこに居住している人が不安に思いますし防犯上よくないためです。

そして、不特定多数が勝手にカギを使わないように、もちろんキーボックスには暗証番号が設定されています。

内見依頼書(名刺)のやり取りも、FAXと電話を使ってその場ですぐ伝え合う

カギの受け取りを行う場合には、A社のスタッフがB社に出向き、カギを受け取ります。

現地対応の場合には、B社は「名刺(内見依頼書)をFAXしてもらえれば、キーボックスの暗証番号を教えます」とA社に伝えます。誰が内覧に来たか管理しておくためですね。

ここでも、「一本、メールで内見依頼書を送ってください」とはなりません。FAXで送ります。

わざわざメールアドレスを聴きだして、ファイルを作って、送信して、相手の受信を待って…などという手続きを、一つ一つの物件にしていたら無駄な時間が過ぎていってしまうためですね。

FAXを受け取った管理会社BはA社にすぐに電話して、暗証番号を伝えます。

入居申込書もFAXで流すのが一般的。一番手を取るためにスピード優先

内見も終了し、入居申し込みを行う場合には、元付仲介会社に「入居申込書」を送ります。この場合にも、一般的には紙一枚をFAXで流します。

メールアドレスの聞き間違いのリスクを取らず、シンプルなFAX番号で間違いなく送付することに加え、他より早く申し込んで契約を確実にしたいという動機もあります。

入居者の本人確認証(自動車免許証など)をFAXで送られると不鮮明な画像となりがちですが、正確なところは後から別途鮮明な写しを送ればいいという考え方をします。

一つの物件に複数の客付け仲介業者が連なっている構造上、「早く申し込んだ」という事実を勝ち取り、担当するお客様の契約を確かなものにするのですね。

このように、図面などのやり取り、物件の在庫確認、内見手配、入居申し込みなど、不動産の営業(特に賃貸物件)では、電話やFAXという連絡手段が頻繁に使われる場面があるのです。

初めての取引相手も多く、確実で安全な情報の受け渡しにFAXは有効

不動産業界がFAXを使う場面が多いのには別の理由もあるかもしれません。

不動産会社は日本全国に数多くあり、また仲介業は参入障壁が低いため廃業・開業も頻繁に繰り返されます。不動産会社同士、初めての取引ということも少なくなく、「いつもの取引相手」というものが少ないという特徴もあります。

相手のメールアドレスを知らなかったり、一回きりの取引だったりするため、FAXで確実な送受信を優先したいケースもあるということです。

また、FAXはアナログな技術ですが、一般的にメールよりもセキュリティが高いという側面もあります。個人情報のやり取りが多い業界ですので、より安全な情報受け渡し手段であるともいえるでしょう。

いろいろな事情があってFAXという昔ながらの通信手段が使われているのですね。

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