9月適用金利(固定型)も軒並み引き下げ。フラット35も4カ月ぶりに低下

2017年9月の住宅ローンの適用金利は、固定型10年の最優遇金利を先月8月と比較すると、(三井住友信託銀行が据え置いたのを除き)大手銀行は軒並み0.05%引き上げました。

8月には0.05~0.1%上昇で推移した固定型住宅ローン金利が、9月には逆の方向性を示し一進一退という状況です。

固定型10年の最優遇金利(年利)
※フラットは21年~35年(借入90%以下)
2017年7月 8月 9月
三菱東京UFJ銀行 0.70%(↓) 0.80%(↑) 0.75%(↓)
三井住友銀行 1.05%(→) 1.10%(↑) 1.05%(↓)
みずほ銀行 0.85%(→) 0.85%(→) 0.80%(↓)
りそな銀行 1.05%(→) 1.10%(↑) 1.05%(↓)
三井住友信託銀行 0.65%(→) 0.70%(↑) 0.70%(→)
フラット35 1.09%(→) 1.12%(↑) 1.08%(↓)
※あくまでも固定型10年の最優遇金利のみ抽出したもので、住宅ローンの借り入れ条件も各行で異なります。
各行比較のためではなく、金利の時系列推移のご参考としてご覧ください

固定型の住宅ローン金利は、長期金利(10年物国債利回り)の水準を基に、各銀行の裁量で判断しています。

ここにきて、米国の利上げ観測が後退していることや、北朝鮮情勢など地政学的なリスクが顕在化しており、有事の円買い・日本国債買いが行われ10年物国債利回りが低下していることが、ローン金利低下の背景にあります。

また、同様にフラット35も4カ月ぶりに金利が低下、固定型住宅ローン金利の低下圧力がかかっているといえます。

米国利上げ観測後退や北朝鮮問題で8月に長期金利急落。9月にはマイナス圏へ突入

8月の10年物国債利回りは、7月の水準から右肩下がりに下がり続けました。

背景には、アメリカでの低インフレの懸念に加え、洪水被害などもあり、年内の12月に期待された利上げも難しいのではないかとみられています。また、北朝鮮のミサイル発射が続くことで、安全資産とされる日本国債を買う動きが強まったことがあります。

さらに、日本の各銀行が9月末の中間決算を控えており、国債を買う動きが強まっているとの観測もあります。

そもそも、日銀が4割を超える国債を保有しているため、市場に流通している国債自体が少なく、今回のように買いが膨らむと一気に国債価格が上昇(利回りは低下)する事態になります。

9月1日には、とうとう10年物国債利回りが▲0.005%と、2016年11月16日以来、約9カ月半ぶりにマイナス圏に突入したほどです。

4月に米国が行ったシリア空爆後の動きに似ている。日銀は手出ししずらい事情も

8月に利回りが急落した長期金利の動きは、4月の動きと似ています。

4月6日には、トランプ政権がシリアの空軍基地(アサド政権)に対して巡航ミサイルによる攻撃を行った日です。その後、長期金利はゼロ%付近にまで低下した過去があります。

その後4月下旬には金利が上昇をはじめ、7月6日には日銀の許容範囲とされる、節目の0.1%にまで達しました。

ただし北朝鮮は、世界各国からの批判や国連の制裁決議などを意に介することなく、ミサイル発射を繰り返しており、9月にはさらに長期金利が下振れする可能性もあります。

日銀としては、金融緩和の方針を継続したい意志が強く、長期金利が下がり過ぎた際に手出ししずらいというジレンマがあります。金利を上げることは、金融引き締めを行わなければならないためです。

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