高額な売却査定額を信用してはいけない。4倍の報酬を得る取引の手口とは?

自宅などを売却したいな…と思えば、「いくらで売れるのか」ということが気になるものです。

その際、複数の不動産会社に価格査定をお願いするケースが多いかと思いますが、決して高値をつけたからといってそれを鵜呑みにしてはいけません。

その不動産会社が買うわけではなく、あくまで価格査定する業者は、売主あなたと買主の間に入る仲介業者です。「この物件であれば、3,000万円の値段をつける買主をみつけられると思います」といったように、希望的観測に基づいた予想価格でしかありません。

高い最低価格を出したとしても、それが本当にその通りになるかなんら保証はありません。言ったもの勝ちの世界です。

あえて高い査定価格を出してくるケースも少なくありません。報酬が倍になる「両手仲介」を狙うためです。なんと一つの不動産で、通常の4倍の仲介手数料(12%)を手に入れる方法もあります。

ここでは、具体的に悪徳不動産業者の手法をみていきましょう。

高値での売却を吹っ掛け、売主と専任媒介契約を結ぶ。その後は放置?

売主が「築30年の戸建て住宅(自宅)の売却をあなたの会社に依頼すれば、いくらの売値が期待できますか?」と複数の不動産会社に査定依頼をしたとします。

ほとんどの会社が2,500万円前後であった時に、「うちなら3,000万円で売ることができます」と飛びぬけて高い価格を示してきた不動産仲介業者Aがいたとします。

売主としては、ホクホク顔でこのA社と媒介契約(自宅の売却活動を正式に依頼する契約)を結び、しかも業者から「あなたの自宅を一生懸命売るお手伝いをしますので、我々以外の会社に売却依頼をしないでください」とお願いされます。

これによって、媒介契約の中でも売主側に強い制約を課す「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」を結ばせます。

(専属)専任媒介契約を結んだA社は、他の仲介業者が買主を探してきても必ずA社を通すことになるため、まずは片手分の報酬(売主側からの仲介手数料)をゲットしたも同然です。

他社に買主を紹介されないように、あえて買主の紹介を断り「囲い込み」を行う

もう片方の報酬である買主からの仲介手数料をもらうには、自社で買主をみつける必要があります。

逆にいえば、他社からの買主紹介を断ればよいのです。いわゆる「囲い込み」です。

他社の仲介業者から、「物件はまだありますか?」と問い合わせがあっても「すでに申し込みが入りました」「契約が決まりそうです」などと嘘をつくのです。

そもそも相場からかけ離れた高値で売り出した物件には、買主が現れる可能性も少なく、そのまま放置というケースもあります。ひどい話です。

または、あえて高い物件を内覧さえた後に、より安く同程度の品質の家をみせるという古典的な内覧営業をする場合の「当て物件」(当て馬のような役目を果たす物件)として利用します。

疲れ切った売主に、大幅な値下げを提案。自社の顧客・取引先に好条件で買わせる

そしてしばらく売れない時期が過ぎ去ってきたころ、しびれを切らした売主のところへ行きます。

そして、「今は市況が悪いです。ただ、私たちの営業努力の結果、建築会社B社が買いたいと言ってきています。値段は800万円ほど下がりますが、ここは価格を下げてでも今のうちに売っておきましょう」と提案するのです。

さらに“当て物件”として利用していた実績があれば「これだけの内見(内覧)を獲得したのですが、やはりあと一歩、価格の点で折り合いがつきませんでした」ともいうかもしれません。

なかなか売れずに疲れ切った売主としては、この話が暗闇の中の一筋の光に思えるかもしれません。

そこで売主としては、当初の相場よりも低い価格での売却を承諾し、手数料をA社に支払うことになります。A社としては、買主からも売主からも仲介手数料を貰える両手仲介(6%)が実現し、しめしめということになるのです。

なぜ高値で買ってくれる個人ではなく、建築業者に買わせたがるのか?

ところでなぜA社は、建築会社B社を買主として紹介したのでしょうか。

自宅を売った個人売主からすれば、業者への販売は安値でしか売れません。業者(B社)は、その土地を仕入れて利益を載せて販売するため、仕入れ値を抑えようとするからです。

本当であれば、リフォームをして自分で住もうと考える個人の買主をみつける方が高値での売却ができることが多いものです。業者へ売却するのは、個人売主の立場としてはあまり歓迎されるものではありません。

実は、B社がA社に将来の報酬を約束するため、A社にとって大きなメリットがあるためです。これを業界用語で「専任返し」と呼びます。

どういうことかというと、B社は土地の仕入れに苦戦しているため、A社に対し「土地の仕入れをさせてもらえれば、建築後の住宅の販売をお宅に任せるよ」と、(専属)専任媒介契約を将来結ぶことを約束するのです。

つまり、建築会社B社が買い取った築古の戸建て住宅の上物(建物)を取り壊し、新たに新築戸建て住宅を建売販売します。その将来の販売活動において、A社を専任の仲介業者として起用することを約束するのです。

建築業者に土地を売って「専任返し」を狙う。同じ不動産で2度稼ぐオイシイ商売

A社としては、専任返しを受けた住宅の顧客を自社でみつければ再び両手仲介ができます。

同じ不動産の取引で、2度の両手取引を行って合計「12%」もの手数料を得ることができることになります。

しかも新築となり売りやすくなった分、自社で買主をみつけやすくもなります。

また、その他の理由としては、業者間の取引はお互い慣れているため契約・決済がスムースに運ぶことがあります。現金購入でローン手続きなども不要なケースもあり、業務効率化が図れるのです。

いずれにしても完全にA社の都合によるもので、元の個人売主に対してこれらは裏切りの行為ともいえます。

悪だくみの方法を知って自分を守る。査定価格を鵜呑みにせず、理由を確認!

高値で査定する裏には、以上の例のような悪だくみが渦巻いているかもしれません。

販売活動を頑張るどころか放置し、値下げの承認をもらったタイミングで販売…しかも、その後に専任返しを貰うことが決まっているため業者へ売却するという悪質な方法があることだけは知っておいてください。

それは、売主の立場になった場合に自分を守ることに繋がります。なにかおかしいな?と思えば、相手がなにを目的に動いているのか考えてみましょう。

そして、売却価格の査定結果の数字のみをみるのではなく、一つ一つ理由を聞いてみましょう。

自宅の評価を高く出してくれることは嬉しいと感じるものですが、実は渋めに低く評価した会社の方が住宅市況に詳しく、結果的に早く買主を妥当な値段で見つけてくれるかもしれません。

「両手取引」自体はやむを得ない。自社都合で取引を歪ませる「囲い込み」が大問題

もちろん、両手取引自体は違法でもありませんし、自社で買主をみつけた場合などやむを得ない状況もあります。

問題となるのは囲い込みなどに代表されるように、本来取引の主役である売主・買主を差し置いて、仲介の立場でありながら自社都合で取引を歪めることこそ大問題です。

一方で、客付け業者から元付業者に対して物件問い合わせをしても、囲い込みをする元付業者が「つい先ほど、申し込みが入りましたので物件の紹介はできません」といわれれば、外部からその真偽を検証するのは困難です。

しばらく経って、まだレインズに掲載されていたとしても「前回のお客様はローンの審査に落ちてしまい、そうしている間にまた別のお客様から申し込みが入りました」などといくらでも言い訳を作ることができます。

なかなか根深い問題ではありますが、おかしいと思えば媒介契約を解除するなど、売主自身でも防衛していきましょう。なにかおかしいな?と思えば、いつでもご相談くださいね!

 

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