不動産は建築基準法や都市計画法など多くの法律に規制される

容積率・建ぺい率・高さ・日影・耐火性・用途などさまざまな制約

好き勝手に建物を建ててしまうと、住宅街の中に超高層ビルができたり、高さの揃わない建物が並び日当たりが極端に悪くなったり、密集させすぎると火災などの災害時に被害が大きくなってしまいます。

その為、国や地方自治体は日本の国土全体をどのような地域とするか、都市計画というものを定め、その中で市街化を進める地域には用途地域といって、建物などの用途を制限し、合理的で調和のとれた街づくりを促します。

鎖チェーン・規制制約制限・ブルー・鍵_s

また、好き勝手な建物が建たないように、容積率や高さなどに制限を設け、防火対策が必要な地域は守らなければならない最低限のルールを課しています。

購入予定の住環境や、土地の活用度合いをあらかじめ知る

このような不動産取引における法的な制約を知ることで、例えば購入予定のマイホームはどのような地域となるのか、住環境はどうかなども確認できます。

また、新築される方はもちろんのこと、新築されない方にとっても、将来中古住宅を売却することを考えれば、これら制限は大切になってきます。

買い手としてはその土地の活用度合い(どのような建物が建てられるか(制限を受けるか))という点を気にするからです。

それでは、不動産にはどういった制限が課されるのか、具体的にみていきましょう。

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