「もう少し様子見します」が招く悲劇…「買う」「売る」決断の難しさとその対策

「もっと安く買える?」から「買っておけばよかった…」とならないために

マイホームや投資収益物件を購入または売却したいと「思う」のと、実際に買ったり売ったりするのでは雲泥の差があります。

「もう少しいい条件で取引出るんじゃないか」(安く買えるのではないか・高く売れるのではないか)という考えが沸き起こり、なかなか決断に踏み切れないことも少なくありません。

そうしているうちに、他の買主にその物件を取られてしまい、「やっぱり買っておけばよかった…」となるケースもあります。

売主の立場であれば、買い手が若干の指値(値下げ)をしてきたのを突っぱねたところ、それ以来「次の買い手が見つからずになかなか売れない…。売っておけばよかった」という場合もあります。

ここでは、初期段階で自分が納得する条件を決めておくことの重要性と、どのような心持ちで不動産取引を行えば満足度の高い取引ができるのかといったことについてみていきましょう。

時間が経てば納得感が出る?疲れただけ?「様子見したい」心理とリスク

マイホームを購入したいと要望を洗い出し、希望条件を固めた上で物件探しを始めます。

そうして、物件探しを始めてスグに希望条件に合致する物件がみつかった場合、反応は大きく次の2つに分かれることが多いです。

  • 「この物件にすぐ申し込みます」
  • 「確かに希望通りですが、もう少し他の物件もみてみたい」

前者の場合にはその後条件交渉を経て、実際に契約・決済・引き渡しと順調に進むことが多いのですが、後者の場合は後悔につながることが少なくありません。

様子見をして他の物件も探してみても、それ以上の物件が出てこないことがあります。慌てて初めの物件を買おうと思っても、既に他の買主に取られてしまった…ということが往々にして起こります。

そして、「逃げた魚は大きい」とばかりに、その後なかなか納得する物件もみつからず長期戦になってしまうという事態に発展してしまうのです。

そうしているうちに、時間が経てばだんだん疲れてきてしまうのか、または徐々に納得感が醸成されるのか、初めの物件よりも条件が悪くとも妥協して契約する場合もあります。

マイホーム購入の経験不足で「本当に買っていいのか」不安。結果、決断を先延ばし

なぜ様子見の姿勢になるのかというと、マイホーム購入は普段なじみがなく、頭では分かっていても心のどこかに大きな不安が渦巻くものだからです。自然な心境ともいえます。

「本当に買ってよいのか」という疑問が尽きず、友人・知人など周りに相談しても「買わない方がいい」という声を受けがちです。

自分が勧めてしまったばっかりに、後から「買うんじゃなかった…」と文句を言われたくないためです。

外に出てみれば、見渡す限り不動産があり「なにも今すぐ決めなくても、まだまだ他にもきっとあるはず」という考えも沸いてきます。

特に、不動産を買おうとした矢先に、時間がほとんど経っていない段階で優良な物件をみつけた時には、「こんなにすぐ見つかるわけはない」「もう少し様子をみればもっといい取引が舞い込んでくるのではないか」という強気姿勢になりがちです。

時間が経つまで決断ができないという心理の裏には、「今すぐ決断してしまう怖さ」と「とりあえず現状維持しておくことの心地よさ」が背景にあるのです。結果、「先延ばし」という選択肢をしてしまいがちなのです。

物件探しの「前」に希望条件を冷静に考え、しっかり固めておくことが大切

様子見して決断を先延ばししてしまうと、最終的に時間が経過するとともにマイホーム購入に疲弊し、「もういいや…これで決めよう」とないがしろな判断になってしまうリスクもあります。

今すぐ決断できないことの理由の一つに怖さがありますが、それを払拭するためには“拠り所”を作っておくことです。自分自身を「知る」とも言い換えられます。

そのためには、マイホーム購入を考え始めた段階ですぐに物件を探し始めるのではなく、自分の中で希望をしっかり固めておくことがとても大切になります。

フラットな頭で、希望や要望を列挙し、その条件の中でも「絶対条件」と「できれば条件」に振り分けましょう。

自分の希望条件が本当にしっかりと定まっていれば、先延ばししようという考えは影を潜め、条件に合致するかどうかという冷静な判断ができるようになります。

さらに、物件に振り回されてその場の感情に流されて購入を渋ったり、飛びついてしまったりすることも防げるでしょう。

「絶対条件」を変更するのは慎重に。冷静な判断ができていた自分と対話する

「陽当たりは絶対にこだわる!」と決めていたお客様が物件をみていく中で、その陽当たりには大きな問題があるものの、他の条件が素晴らしいものに出会うことがあります。

そういうケースで、買主様が目を輝かせながら「この物件を買いたい」とおっしゃることがあります。しかし、初めに決めていた条件に立ち戻ることがとても大きな意味を持ちます。

初めに決めた絶対条件は、冷静な判断ができる時に決めた希望です。それを物件を目の前にして、条件を覆すのは一時の感情に振り回されてしまっている可能性があるのです。

絶対条件はなにがあっても変えてはいけないものではありませんが、過去の冷静な自分が決めた時の判断を慎重に振り返り、過去の自分としっかり対話しましょう。

マイホームを買う前には「準備」をすることが大切です。そうでないと、購入した後に「やっぱり陽当たり悪いよ…」となってはその後ずっと悔やみながら暮らしていくリスクがあるのです。

逆にいえば、始めに条件を決めていなければ、なんとなく曖昧に購入を決断しかねない危険があります。物件を目にする前に、客観的に判断できる状態で希望を固めておきましょう。

物件を選べない理由とは?マイホーム購入に成功する人は“買う準備”を怠らない!

あなたがいいと思う物件は、他の人も狙っている。スグに動ける準備を

あなたが「この物件いいな」と思う物件は、他の買主候補者もそう思っている可能性が高いものです。

不動産は二つと同じものがない一品物であり、売主の事情に応じて売り出される不動産は決まりますので、いつどこで新しい物件が出るかは正確には予想ができません。

新しい物件がでたらすぐに動くことができる準備をしておかないと、ずっと買えない状況が続いたり、妥協して買うことになったりする可能性があります。

そのためにも、物件が出る前に自分基準を決めることなどには時間をかけますが、いざ物件を本格的に探していくフェーズでは悩む項目を減らしておくことが大事になるのです。

早く決めればいいのではなく「知る」ことが大事。余計な不安を消し、納得の購入を

ここでは早く買うことが大切といっているわけではありません。慌てて買って後悔することになっては本末転倒です。

初めに自分の基準を決めておくことで、物件に惑わされずに満足度の高いマイホーム購入ができるということを伝えたいのです。

中には「絶対条件」をブラさず、1年以上探し続けたお客様もいました。結局、最後まで妥協することなく希望通りの物件が出るまで粘り強く待つことができたため、満足度の高い購入ができたのです。

また、希望条件だけではなく、ファイナンシャルプランを立てることで「住宅ローンを4,000万円まで借りても、問題なく返済できることがわかった。(余計な不安を覚えずに)安心してその予算で物件探しができる」と納得・安心できた方もいました。

購入した後にローン返済に苦しめられるのではないか、という不安はマイホーム購入に付きまとうものです。

それに対して、このように実際の自分の状況を「知る」ことで迷うことなく決断できるようになるのですね。

100%の希望を出し70%の条件で買う。「いずれ手放す」という感覚も

初めに検討する時の希望や要望は、100%自分の想い通りの家を思い浮かべ、思いつくままに書き出してみてください。

その中で「絶対に譲れない条件」を満たし、かつ、その他の「できれば条件」を70%程度満たす物件であれば合格点を与えるという心持ちが、トータルでみてうまくいく買い方ではないかと感じます。

不動産は、土地のカタチや建築基準法などの制約を受けるもので、100%すべてを満たす物件というのは現実的に探し出せない場合が多いものです。

あなたにとって些細な条件にこだわりすぎて買うタイミングを逃すより、「できれば満たせばいいな」という条件を7割満たす物件を落としどころにすることで、後から振り返ってみると結局は満足度の高い買い物ができることが多いものです。

住み替える時代になっている現在、「いずれ手放す」という感覚も時に有効です。一生に一度のマイホーム購入という思い込みがあると、どうしても必要以上に力んでしまいます。

不動産取引は時間をかけたからいいというものではありません。満足度の基準も人それぞれで不動産取引は難しいところもありますが、あなたにとって「買ってよかった」と思える購入ができるといいですね!

【P.S.】「この家、買っていいのかな?」…迷わずご相談ください!

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今の不動産屋さんに不信感がある
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