住む場所や施設の配置を市町村が誘導する「立地適正化計画」

改正都市再生特別措置法に基づき、全国の自治体がその地域全体を見渡したマスタープランを策定する「立地適正化計画制度」が創設されました。

概ね20年後を想定してどのような街にするかを策定する都市計画マスタープランの一部で、市町村が自分たちで作ります。

用途地域・都市計画・未来・住宅・空_s

11月1日時点で国交省が公表したところによると、既に4つの自治体が計画を作成・公表し、25市町が住民説明会や懇談会、パブリックコメントの募集、素案の公表など具体的に対外発信を行っています。

これは、住宅や各種施設がまとまって立地し、公共交通機関でこれらの生活利便施設にアクセスできるよう「コンパクトな街」と「公共交通ネットワーク」を連携させ、実際にその計画を実現するように「誘導」することで、地域全体を効率的に運用するものです。

つまり、その地域の中を、人が住むエリア、商業施設のエリア、医療施設のエリアなど効果的な配置となるよう誘導し、その拠点間を公共交通機関で結ぶという都市機能を集約する計画です。

背景には、生活拠点を集約して交通ネットワークで結ぶ都市構想

背景には、急激な少子高齢化の対応策として、住居や商業施設、医療福祉施設を集約し、それぞれの拠点を公共交通機関で結ぶという、国交省が打ち出している「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」という考え方があります。

高齢者にも快適に住みよい街づくりを実現すべく、2014年8月には都市再生特別措置法が改正され、行政と住民、民間事業者が一体となったコンパクトなまちづくりを促進しています。

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そのため、分散している人や施設を集め、各拠点を交通ネットワークで結ぶことで、人口密度を維持しながら効率的な運用を行おうとしているのです。

資産価値に影響大?!「居住誘導区域」と「都市機能誘導区域」

立地適正化計画を策定する各市町村は、ここに人を住まわせたいという「居住誘導区域」や、その中に病院や子育て支援施設、複合的商業施設、交通機関などを誘導する「都市機能誘導区域」も定めます。

逆にいうと、居住誘導区域に選ばれなかった地域は、新たな住宅を建てることを見送られたり、老朽化しているインフラの更新(投資)が抑制されたりするでしょう。つまり、そのエリアは人が集まりにくくなり資産価値が大きく損なわれる恐れがあるのです。

都市計画と民間施設誘導の融合(国交省:みんなで進める、コンパクトなまちづくり

さらにいえば、この立地適正化計画に従って、不動産の資産価値に大きな影響を与える鉄道やバス路線などの延伸や再編も考えられ、公共交通ネットワークの大幅な改革が行われる可能性もあるのです。

一方で、いくら利便性が高くとも、土砂災害ハザードエリア(土砂災害警戒区域)には居住誘導を避けるなど、長期的に安全安心な街づくりも意識されています。

2016年度に100超の市町村が計画を公開予定。政令指定都市も多く含まれる

2016年7月31日現在、「立地適正化計画の作成について具体的な取組を行っている都市」として合計289団体(市町)が公開されています。

そのうち、2016年11月1日時点では北海道札幌市岩手県花巻市大阪府箕面市熊本市は計画を作成・公表済み、それ以外の市町村の内、115団体は2016年度に計画を作成・公表する予定です。

東京都では日野市と福生市のみですが、既に公表した札幌市以外にも、名古屋市、神戸市、岡山市、広島市など規模の大きな政令指定都市も作成に着手しているのです。

いち早く少子高齢化問題に対応する日野市!「立地適正化計画」に取組む

住宅購入や建築前には必ず立地適正化計画の確認を!

立地適正化計画を公表している各市町村の住宅を購入される場合、購入予定の立地がこの計画の中で居住誘導区域に該当しているかどうか必ず確認しましょう。

居住誘導区域外でも、基本的に住宅を建設することはできます(3戸以上の住宅建設や1,000㎡以上の宅地開発などは届け出を実施しなければならないなどの制限が課されます)。

しかし、地域の公共サービスを提供する自治体側からすれば、街の機能が集約され、おカネをかけるところとかけないエリアが明確に分かれてくれた方が運用コストを圧縮できます。

falling-birth-rate-and-the-aging-population_s裏を返せば、発展させるエリアと同時に、衰退させるエリアを作りたい意図があると考えるのが自然でしょう。

そんな中、自治体が人や施設を集めたくないという想いが透けてみえるエリアに住宅を購入すれば、20年後には買い物にも不便、バス便もなくなり、学校や病院も遠いといった利便性の極めて悪い周辺環境となるかもしれないことを強く意識ください。

これは現在、実際に郊外のベッドタウンにみられる現象でもあり、立地適正化計画はこのようなエリアをあらかじめ自治体が予想するものであるともいえます。

計画を作成・公表する自治体は今後増える。計画の見直しも

現時点で策定を予定していない市町村も、適正化計画を作る可能性もあります。事実、今年3月末時点で具体的な取り組みを行っているのは276団体でしたが、4カ月後の7月末には289団体に増えています。

%e7%b5%b1%e8%a8%88%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e6%a4%9c%e8%a8%8e%e6%89%93%e5%90%88%e3%81%9b_s特に、地方の自治体は財政難に直面しており、地域すべてにおカネをかけサービスを提供する現在の状況ではいつか立ち行かなくなっていきます。

さらに、立地適正化計画は一度作って終わりというものではなく、居住誘導区域含め、見直しがなされていく性質のものです。人口減少が想定より進んでしまった場合、効率を高めるために居住誘導区域をどんどん縮小していく可能性も否めません。

立地適正化計画のまとめ

立地適正化計画の有無にかかわらず、マイホーム購入は資産購入であり、資産価値を強く意識した買い方が重要であることに変わりはありません。

資産価値の高い住宅とは「いつでも貸したり売れる物件」です。その逆である「ずっと貸せず売れない物件」を購入してしまっては、それは資産ではなく負債となります。

この適正化計画は、将来”負債物件”となるエリアをあらかじめ自治体が計画するものであるともいえます。市町村が人を集めたくないという地域に指定したエリアは人口流出がかなりのスピードで進む恐れもあります。

引き続きこの計画を注視し、住宅を購入される前にしっかりと確認するようにしましょう!

 

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