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【管理】定期的にメンテナンスし、住宅履歴情報を残す

住宅履歴の蓄積と、定期点検と即時対応でマイホームの資産価値を維持

マイホームは消費財から資産へ。長く使うためには「①履歴」と「②管理」

マイホームの管理(メンテナンス)は住宅の資産価値を保つためにも不可欠です。

国も2006年の住生活基本法制定によって、国は住宅施策を「フローからストックへ」つまり、「量の確保から質の向上へ」の転換を図っています。住宅は一代限りで使って終わりという「消費財」ではなく、世代を超えて継承されていく「資産」として捉えているのです。

住宅は購入後も長く付き合っていくものという認識が根付く中、一方で暮らしていく中でトラブルはつきものです。

なにかあったらすぐ相談できる専門家(不動産エージェント)を確保しておくことも大切です。購入時から良好な関係を築いておきましょう。

ここでは、購入後に住宅と付き合っていくときに気を付けるべきポイントとして、「①住宅履歴情報の蓄積」と「②管理(メンテナンス)の方法」についてみていきます。

①「住宅履歴情報」で効率的な維持管理や資産価値の向上を!売却時も有利

家の成長記録ともいえる「住宅履歴情報」を残すことが資産価値を維持・向上させる第一歩です。

家がどのように建てられ、どのようなリフォーム・リノベーションが行われ、定期点検の状況はどうだったかという情報(写真や図面など)をしっかり記録しておくことが不可欠です。

主なメリット 説明
計画的な維持管理 竣工時の仕様や過去情報がわかるため、必要な維持管理を計画的・効率的に実施できる
合理的なリフォーム 住宅の実態に見合った、的確な予算・工期で必要十分なリフォームが可能
災害時の迅速な対応 災害時に迅速かつ適切な復旧・帆異臭が可能。設備機器の不具合時にも交換などが円滑に実施できる
有利な売却 売却時に買主に安心材料として提供でき、不合理な値下げを防げる(資産価値が適切に評価される)

具体的には、点検や診断時、また修繕・改修・リフォームを行う度に情報履歴を活用することで、実態に見合った適切かつ合理的な住宅メンテナンスが可能となります。計画的な修繕や災害時の迅速な対応にも応用でき、マイホームを長く質の高い状態で使っていくことができます。

さらに、売買(融資)が行われる際にも情報を利活用することで売主は高値での売却がしやすくなり、買主は銀行からの住宅ローンの融資を受けやすくなるでしょう(買主候補者の数が多くなります)。

そして次の所有者に履歴情報を引き継ぐことで、家を長く安心して使うことができます。

国交省は必要情報や共通ルールを検討、愛称を「いえかるて」に。ロゴマークも付与

国交省は2007年~2009年に「住宅履歴情報整備検討委員会」を実施、住宅履歴情報に必要な項目や共通ルールのあり方や普及方策などを検討しました。

その中で、住宅履歴情報の愛称を「いえかるて」と定め、共通ルールに則った履歴情報を蓄積する仕組みを提供する場合にはロゴマークが使えるようになっています。

国交省の検討した仕組みに沿う「いえかるて」以外にも、履歴情報を蓄積する仕組みは不動産会社やリフォーム・リノベーション会社各社が独自に提供しているところもあります。

どちらが良い悪いということではなく、あなたの使いやすい会社に頼みましょう。大切なのは、後から振り返って住宅の健康状態が分かるようにしておくことです。

新築・点検・補修・売買で履歴情報を蓄積。専門家が作成、所有者が活用

住宅履歴情報の仕組みは以下の図の通りです。

履歴情報を作るのは、基本的に工務店やハウスメーカー、リフォーム業者、メンテナンス事業者など住宅の専門家です。

それを住宅の所有者が受け取り、情報を管理するサービス機関に預けます。そのサービス機関が住宅履歴情報を蓄積していくのです。

補修など必要な時に取り出すことができ、自宅を初めて修繕するリフォーム業者でもその情報を閲覧することで、合理的なリフォーム・リノベーションを行うことができるのです。

また、売買時には、購入予定者に情報を見せるとともに、不動産仲介業者にも提供し、不動産売買のプロから購入予定者に説明することに使うこともできます。新所有者(購入者)は、売買契約後に届け出ることで履歴情報を引き継ぎ、継続して利活用することができます。

すべての住宅で利用可能。蓄積情報は、新築・維持管理段階の書類・図面・写真など

どんな住宅でも履歴情報を残すことができます。新築・中古(既存)どちらでも、戸建てだけでなくマンションやアパートなどその種別を問いません。

戸建てとマンション専用部分の場合、蓄積される情報例は以下の通りです。それぞれ住宅の所有者またはマンションの区分所有者が蓄積を行います。

段階 項目 「戸建て住宅」「マンション専用部分」の情報項目例



建築確認(戸建て) 新築住宅の竣工まで(地盤調査・建築確認・工事監理・完了検査を含む)に作成された書類や図面
住宅性能評価 住宅性能評価書や住宅性能評価を受けるために作成された書類や図面
新築工事関係 住宅の竣工時の状況が記録され、竣工までの変更が反映された書類や図面
長期優良住宅認定 認定手続きのために作成された書類や図面





維持管理計画 計画的な維持管理に関わる情報(点検・修繕の時期・内容など)が記載された書類や図面
点検・診断 自主点検、サービス点検、法定点検、住宅診断時に作成される書類や図面・写真
修繕 計画修繕、その他の修繕時に作成される書類や図面・写真
改修・リフォーム 性能や仕様の向上などのためのリフォーム・改修工事時に作成される書類や図面・写真
性能評価 住宅性能評価書や住宅性能評価を受けるために作成された書類や図面
認定長期優良住宅の維持保全 保存が義務付けられている維持管理の記録など

マンションの共有部分は以下の通りです。管理組合が蓄積を行います。

段階 項目 「マンション共用部分」の情報項目例



建築確認 新築マンションの竣工まで(地盤調査・建築確認・工事監理・完了検査を含む)に作成された書類や図面
新築工事関係 マンション竣工時の状況が記録され、竣工までの変更が反映された書類や図面
長期優良住宅認定 認定手続きのために作成された書類や図面





維持管理計画 マンション共用部分の長期修繕計画および修繕積立金に関する情報
点検・診断 マンション共用部の自主点検、サービス点検、法定点検、住宅診断時に作成される書類や図面・写真
修繕 マンション共用部の(大規模)修繕や補修を行った時に作成される書類や図面・写真
改修・リフォーム 性能や仕様の向上などのためのリフォーム・改修工事時に作成される書類や図面・写真
認定長期優良住宅の維持保全 保存が義務付けられている維持管理の記録など
組合
運営
マンション管理 マンション管理組合の規約、運営状況に関する情報

より詳細には、住宅履歴情報整備検討委員会の「住宅履歴情報の蓄積・活用の指針」およびその解説、「住宅履歴情報項目の解説」などに記載されています。これらのフォーマットの一つとして、住宅金融普及協会の「住まいの管理手帳」の書式もあります。

尚、長期優良住宅に認定されている住宅は、履歴情報を蓄積することが義務となっています。

一般住宅の場合は任意ですが、履歴を残すことはとても有意義で住宅の状況を把握し、適切なメンテナンスにつなげることができます。将来の売買時にも強い味方になります。ぜひ検討ください。

②「管理(メンテナンス)」は定期点検がカギ。先手の対応でコスト抑制

住宅は「管理が命」ともいわれます。家の部位ごとに日常的・定期的な点検を行い、必要に応じて設備交換や補修・修繕などリフォーム・リノベーションを行いましょう。

点検時期については、日ごろの清掃などと一緒に目視などで簡単に行う「日常点検」、数年ごとに詳しく調べる「定期点検」、台風や地震など住宅に大きな負荷がかかった時の「臨時(緊急)点検」があります。

点検は調べて終わりではありません。不具合があったらすぐに直すことで、長い目でみて修繕費用も抑えられます。劣化事象を放置していると大規模な工事が必要となることも少なくありません。

特に住宅の天敵は雨水です。外壁や屋根はマイホームへの雨水の侵入を防ぐ効果がありますが、塗装や瓦などには有効期限があります。放置しておくと内部の躯体をむしばみ、大掛かりな工事が必要となります。先手先手で対応しましょう。

また、定期点検や臨時点検、それに合わせたリフォーム工事が終われば修繕履歴を残しておくことも大切です。専門業者を呼んで実施する定期点検などでは、マイホームの図面や書類が必要です。それらもしっかり保管しておくことで効果的な検査ができるでしょう。

日常点検は、設備利用時など普段の生活の中で。異常があればリフォーム会社に依頼

日常点検について、普段のお掃除や設備を利用している時、日常的にチェックしましょう。

下の表はあくまでも一例にすぎません。あなたのマイホームに応じて点検項目は変わります。普段から家の健康状態に目を光らせ、快適な暮らしを実現しましょう。

点検部位 主な点検項目
フローリング・カーペット・畳など 腐朽、剥がれ、ひび割れ、床鳴り、傾斜、そり、変色、汚れ
クロス・板張り・砂壁など 腐朽、浮き、剥がれ、割れ、変色・汚れ、カビ
天井 クロス・コンクリート張りなど 腐朽、浮き、剥がれ、割れ、変色・汚れ、カビ
建具 ドア・襖・障子など 建具周辺の隙間、開閉不良、破損、汚れ
水廻り キッチン・トイレ・浴室・洗面化粧台 水漏れ、割れ、悪臭、詰まり、カビ、シーリングの劣化、換気不良
電気 配線、スイッチ、コンセント 動作不良、破損

異常があればリフォーム会社などに連絡し、早めに修理しておくことで二次被害を防げます。特に、水漏れはすぐに対応しましょう。

また、水栓器具のパッキン(パッキング)や換気設備のフィルター、電球など、消耗品は自分で買って交換するのが一番安上がりです。

定期点検は、躯体や屋根・外壁、配管など住宅の重要部分。地震や台風で臨時点検

定期点検について、国土交通省が監修した「長期優良住宅に係る認定基準技術解説」によると、新築してから30年間の維持保全計画(一戸建て住宅)の目安は以下の通りです。

点検の結果を踏まえて、修繕や改良を行うとともに、今後のマイホームの維持保全方法について見直すことも必要です。

点検部位 主な点検項目 点検時期・定期的な手入れ
(目安)
臨時
点検



コンクリート基礎立ち上がり ひび割れ、欠損、沈下、換気口のふさがり、錆、蟻道(アリの道)など
  • 5年ごとに点検
土台 基礎からのズレ・浮き、断面欠損、腐朽・蟻害(シロアリ被害)
  • 5年ごとに点検
  • 5年で防腐・防蟻処理
床組(大引き・床束・根太) 腐朽・蟻害、傾斜、たわみ、床鳴り、振動など
  • 5年ごとに点検
  • 5年で防腐・防蟻処理
  • 20年で全面取替を検討
軸組(柱・間柱・筋交い・胴差) 傾斜、断面欠損、腐朽・蟻害など
  • 10年ごとに点検
小屋組(垂木・もや・棟木・小屋づか) 雨漏りなどの後、小屋組の接合部のわれ
  • 10年ごとに点検








屋根(瓦葺き) ずれ、あがれ、浮き、割れ、雨漏り、変形など
  • 5年ごとに点検
  • 20年で全面葺替を検討
外壁 割れ、欠損、剥がれ、シーリング材の破断など
  • 3年ごとに点検
  • 3年でトップコート吹替
  • 15年で全面補修を検討
雨樋(どい) 破損、詰まり、はずれ、ひび、軒樋の垂れ下がり
  • 3年ごとに点検
  • 7年で全面取替を検討
軒裏(天井) 腐朽、雨漏り、剥がれ、たわみ、ひび割れ
  • 3年ごとに点検
  • 15年で全面取替を検討
開口部 建具周辺の隙間、開閉不良、錆、雨漏りなど
  • 5年ごとに点検
  • 20年で全面取替を検討

配管設備(給水管・排水管) 漏水、赤水、給水流量の不足、排水の滞留など
  • 5年ごとに点検
  • 20年で全面取替を検討
  • 水漏れは直ちに補修

点検時期などはあくまでも目安です。例えば、給排水管から水漏れがあればすぐに補修することや、「★」で示している項目については、地震や台風など住宅に大きな負荷がかかった場合に臨時点検を行いましょう。

また、上の表はあくまでも戸建て住宅の例であり、実際に自宅の維持保全計画を立てる場合には、個々の住環境に応じて住宅の専門家とともに決めてください。

尚、住宅金融普及協会では「マンション専有部分点検・補修記録シート」も公開しています。マンションにお住まいの方はこのチェックシートを利用することもよいでしょう。

マイホームの管理(メンテナンス)のまとめ

マイホームは買った後のメンテナンス次第で、その後の劣化具合やリフォームコストなどが大きく変わります。点検で不具合がみつかれば(大事に至らない段階で)できるだけ早めに対応することで、修繕の費用を少なくすることができます。

修繕・補修など住宅に関わる履歴情報はしっかりと残すことも大切です。最近では「いえかるて」に代表されるように、住宅履歴情報を蓄積する共通ルールも整備されています。

リフォーム・リノベーション工事を実施する場合には、図面や過去の修繕履歴は大変有用な情報になります。履歴情報を整理しておくことは、必要十分な最適な工事が実施できるとともに、無駄な工事による出費も省けることに繋がります。

さらに、売買時に不当に安く評価されず資産防衛も可能になります。資産価値を維持・向上させるためにも、住宅は買って終わりではなく、その後の管理にも力を入れましょう!

マンションの場合には、多くの場合に管理会社が実際の管理業務を一手に引き受けます。その管理会社の考え方や選び方を見ていきましょう。

【マンション管理会社の選び方】知名度や規模だけで選ぶと失敗する

 

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