中古の「不安・汚い・分からない」払拭すべく、認定マークを与える制度ができる

2016年12月19日に国交省で「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度検討会」が発足しました。

「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度」、いわゆる「プレミアム既存住宅」登録制度の在り方について検討されているものです。

これは、消費者が中古住宅に抱く「不安」「汚いイメージ」「わかりにくさ(情報不足)」を払拭しようとするものです。

具体的には、一定の品質について要件を満たしたと認定され、かつ情報提供を行う中古住宅にわかりやすい標章(マーク)を付与する案を検討中です。

認定の要件 認定基準(案)
耐震性
  • 新耐震基準に適合
    • 1981年6月1日以降に着工
    • 1981年5月31日以前に着工も、耐震診断を実施し耐震性が確認されたもの
    • 耐震改修が完了しているもの
構造上の不具合及び雨漏り
シロアリ被害・給排水や換気等の設備の不具合・省エネ性能
  • 検査結果などについて情報開示
外観(汚いイメージの払拭)
  • 事業者団体毎の基準に適合
  • 水廻り・内装・外装の現況写真の開示
情報開示
  • 【必須】広告時や商談時に、上記項目の情報開示
  • 【努力義務】新築時の情報、過去の維持管理に関する情報、共同住宅の共用部分の管理に関する情報
  • 【任意】団体毎に実施する流通支援などの情報

住宅の品質レベルに応じて「〇〇住宅」と分かりやすく表示。※安心R住宅が制度化

第2回の検討会は2017年1月23日に開催され、徐々に制度概要の輪郭がみえてきました。

次章で示す通り「制度検討の方向性」は示されたものの、現段階(2017年1月時点)では具体的な制度は確定していません。認定マークを付与する要件案としては上表のように示されています。

一定の品質をクリアすることで「不安」「汚いイメージ」を払拭し、それを分かりやすく示そうというものですね。

新耐震基準の適合物件など、住宅品質のレベルに応じ「納得住宅」「安心住宅」「適格住宅」「保険付き住宅」「基本スペック住宅」などを付与することが検討されています。

マークを取得できれば、中古住宅の売却時に買主へアピールできる効果が見込めます。2017年度にも運用を開始する予定です。

※【2017年12月追記】実際には2018年4月から「安心R住宅」として運用が開始されることになりました

中古の家を安心して買う方法ができた!「安心R住宅」でマイホーム選びが簡単に

耐震性の確保やインスペクション、瑕疵保険によって家の欠陥に対する不安を解消

今後の精度改革の方向性は、第1回検討会および事業者団体等ヒアリング結果を受けた制度検討の方向性で示されています。

消費者アンケート結果から示された中古住宅への三大敬遠要素「不安」「汚い」「わからない」を払拭する制度の方向性を検討しています。

「不安」の払しょくは、耐震性や構造上の不具合・雨漏りで不具合がないことに加え、万が一の備え保険・保証をつけることを求めます。

具体的には、インスペクション(建物状況調査)や既存住宅売買瑕疵保険などを活用しようとしています。

払拭 求められること 制度検討の方向性
「不安」
  • 求める品質は「耐震性があること」「構造上の不具合や雨漏りがないこと」
  • 「構造上の不具合や雨漏り」に対する保険・保証を付保
「汚い」
  • 見た目の要件を国で一律に定義することは難しい
  • 設備等の交換時期を築年数等で一律に定義することは難しい
  • 見た目の「きれいさ」を国として一律に定義は行わず、団体毎に基準を定めて適合
「分からない」
  • 適切に維持管理されていることが評価されるべき
  • 共同住宅の共用部分の管理の情報開示を推奨すべき
  • 初めて既存住宅を購入する際に必要な視点を消費者に啓発すべき
  • 国が定める品質や維持管理の情報について情報収集を行った上、広告時や商談時に情報開示

「汚い」には内装・外装の写真を充実、「分からない」には積極的な情報開示で対応

「汚い」イメージの払しょくは、特に消費者が気にしている水廻りや内装・外装など現況の写真を開示することを想定しています。

「分からない」ことへは、開示するべき品質や維持管理の情報を国が決め、それをお客様に積極的に開示し情報提供の充実させようとしています。

対策(方向性)に特段目新しさはないものの、逆にいえば、お客様にとってはこれらの基本的なことが徹底されていなかったから中古住宅の取引を敬遠していたともいえます。

これを国が主導して、一定の枠組みを作ることで中古住宅の取引が活性化することが期待できます。

団体は苦情窓口を設け、さらに購入者のアンケートに基づき審査基準の厳格化を前提

安心な取引環境を作ることも忘れていません。

事業者団体が商標(マーク)を与える中古住宅の審査を客観的に実施したり、不動産会社などがきちんと情報できるよう研修・指導を行います。

主体 求められること 制度検討の方向性
事業者団体
  • 事業者が適切に情報提供を行うことが重要
  • 購入やリフォーム・維持管理に関する相談窓口が必要
  • 団体は事業者が商標を付与する際のルールについて審査を実施
  • 団体は事業者が消費者に対して適切に情報提供を行うよう研修、指導などを実施
  • 団体に相談窓口を設置
  • 団体が満足度調査を行い国に報告
制度の枠組み
  • わかりやすく伝えるため、一定の要件を満たす住宅に対して、統一の商標を導入
  • 既存の制度を活用し、効率的でわかりやすい制度へ
  • 事業者による検査や情報開示の努力が評価される制度へ
  • 市場での流通実態を考慮し、要件を引き上げていくことを前提
  • 一定の要件を満たす住宅に対する要件・商標・統一の制度名称を定め、事業者による商標の付与を可能に
  • 定期的に要件の見直し(引き上げ)を実施

さらに、消費者からの苦情相談窓口を設置することも想定されています。

その上で、実際に商標が付与された既存住宅を購入した消費者から業界団体が満足度アンケートを実施し国に報告することも盛り込んでいます。

それに照らし合わせて今後、審査基準を厳しくすることを前提に、運用しながら制度を改善していくことを想定してスタートさせようとしています。

【背景】国交省のアンケート結果が示す消費者の本音。既存住宅が「分からない」

中古(既存)住宅を選ばなかった理由を探ろうと、国交省が2016年10月にアンケート調査を実施しました。

結果として、大きく「分からない(情報不足)」「見た目の汚さ」「品質の不安」「価格」の4つに大別されることが分かりました。

特に、「好みに合う中古住宅がない」「価格が妥当か判断できない」といった情報不足を指摘した回答(複数回答)が、それぞれ38%、31%と高い比率を占めました。

既存住宅を選ばなかった理由(国土交通省独自調べ:2016年10月実施インターネットアンケート)

分類項目 詳細(複数回答)
分からない
(情報不足)
【38.0%】好みに合う中古住宅がない
【31.3%】価格が妥当か判断できない
価格 【21.9%】想定した以上に中古住宅の価格が高い
【20.8%】リフォーム・リノベーション費用が高くつきそう
【6.8%】新築住宅の方が税制面で有利
【4.4%】中古住宅は融資を利用しにくい
品質の不安 【18.8%】設備の老朽化が不安
【17.8%】耐震性に不安がある
【16.2%】長く住むつもりであるため
【12.0%】耐久性(耐震性は除く)や品質に不安がある
【8.8%】断熱性に不安がある
【7.3%】セキュリティ・防犯性が不安
【6.1%】保証やアフターサービスがない
見た目の汚さ 【14.2%】新築住宅の方が気持ちいい
【13.3%】見た目がきれいでない
【12.0%】水廻りが古い・汚い
【7.3%】リフォーム・リノベーションが手間に感じる

「分からない」、つまり業者や団体による情報提供不足は大きな反省点です。そのため、一定の品質をクリアするのみならず、情報提供をしっかり行った物件に認定マークを付与する制度設計となっています。

その他の項目も踏まえ、国交省は、「中古住宅」のイメージの払拭のために従来の「中古住宅」に対する「不安」、「汚い」、「わからない」というイメージを変えようとしています。

その結果として、消費者が「住みたい」「買いたい」と思う「新しいイメージの既存住宅」を市場に供給することを目指す検討を始めたのです。

消費者は「写真」で判断するしかない状況?本当はリスク情報などを希望している

その他のアンケート結果では、「写真の点数が多い」「内装・外装の写真」といった写真を求める声が強いことが分かります。

これは、「不動産会社を選ぶポイント」「広告で魅力に感じた情報」という項目に対する回答です。注目したいのは、同時に「物件のウィークポイントも書かれている」ことも求められている点です。

不動産会社を選ぶポイント(不動産情報サイト事業者連絡協議会 :2016年「不動産情報サイト利用者意識アンケート」 )

広告で魅力に感じた情報(国土交通省独自調べ:2016年10月実施インターネットアンケート)

さらに、来店後の要望ともいえる「不動産会社に求めること」には「正確・詳細な物件の説明」がトップにきています。

これは、見た目の情報(写真)とともに、そこからはみえないリスク情報や、「良いこと」を過度に強調することなく冷静に検討できる事実を適切に伝えて欲しいということを望む姿がうかがえます。

不動産会社に求めること(不動産情報サイト事業者連絡協議会 :2016年「不動産情報サイト利用者意識アンケート」 )

今後は、リスク情報や正確な情報提供をするエージェント型仲介が求められる

今や手軽に写真を取れる時代。見た目の情報は豊富に提供できる環境が整っているといえます。

それらの情報に加え、これから求められるのは、写真や図面からは読み取れないマイナス情報やリスクといったネガティブ情報を積極的に開示する不動産エージェントでしょう。

消費者が容易に読み取とれない情報を具体的にイメージできる仕組みが求めらえれているとも解釈できるでしょう。

さらに、不動産の詳細や住宅優遇制度など周辺情報も含めて、買主に寄り添った情報提供のあり方が問われていると考えられます。

これらの要望に応えるには、やはり物件紹介業としての不動産屋ではなく、エージェント型の不動産サービスだと考えます。

ここで検討されている「新しいイメージの既存住宅」によって、もっともっと買主が安心安全に不動産取引に参加できる環境が整っていくことを大いに期待します!

 

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  • 行ってはいけない不動産屋が見極められるようになります
  • なぜ不動産会社が押し売りしてくるか分かります。押し売りが怖くなくなります
  • 買ってはいけない物件がわかります
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  • 安心してマイホームの取引ができるようになります