供給戸数が4年ぶりに増加で底打ちも、価格高止まりで契約率も低迷している

2017年7月18日に、不動産経済研究所社が発表した首都圏マンション市場動向(2017年上半期)を発表しました。

2017年上半期(1~6月)の首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)マンションの供給は、14,730戸(前年同期比+1.9%)となり、4年ぶりに増加に転じました。

上半期でみると、これまで19,394戸(2014年1~6月)⇒18,018戸(2015年1~6月:▲7.1%)⇒14,454戸(2016年1~6月:▲19.8%)⇒14,730戸(2017年1~6月:+1.9%)と推移しています。

ようやく供給量が底打ちしたといえる状況ではありますが、半期で1.4万戸台というのは、2000年当時の過去最多であった46,816戸と比べると1/3以下の水準にとどまっています。

また、分譲価格は首都圏平均で5,884万円(前年同期比+3.5%)と高止まりしており、初月契約率の平均は67.3%(前年同期比▲1.1ポイント)と2年連続で好不調の節目となる70%を下回っています。

東京都内のマンションが供給増・価格上昇をけん引、郊外マンションはいまだ苦戦

供給戸数の内訳をみると、東京都23区内が+5.4%、23区外が+28.1%と供給量の増加をけん引しています。一方で、神奈川県▲3.9%、埼玉県▲14.9%、千葉県▲12.7%と周辺3県はいずれも共有量が減少し続けています。

分譲価格の内訳をみると、東京都23区内が6,782万円(2016年上半期)⇒7,159万円(2017年上半期)と前年同期比+5.6%であり、価格上昇をけん引しています。

その他の地域では、東京都23区外▲3.3%(5,255万円⇒5,083万円)、神奈川県▲1.9%(5,080万円⇒4,982万円)、埼玉県+1.3%(4,295万円⇒4,352万円)、千葉県▲1.4%(4,051万円⇒3,994万円)と、減少傾向にあるものの依然高い水準で推移しています。

都心部の高額マンションは供給量を伸ばし、郊外の低額マンションは販売戸数が絞られるといった状況であり、供給量や価格の二極化が鮮明となっている様子が色濃くうかがえます。

7月19日付の日本経済新聞朝刊にも、以下のような記述があり、不動産大手各社が立地の選別を強め、郊外マンションの販売に苦戦している様子が伺えます。

  • 東急不動産HDの大隈郁仁社長は「郊外は駅から遠かったり、共用部の魅力が薄かったりする物件は動きが鈍い」と認める。
  • 「郊外は商品企画に特徴がないと売れない」と住友不動産の担当者は言う。
  • マンション大手の大京は首都圏郊外でも駅から徒歩10~15分以上かかる土地は原則として仕入れていない。2000年代にトップを維持していた供給戸数をお幅に減らしているが「確実に利益になる場所にしか今後も出さない方針」という。

新築マンションはしばらく買い時でない。㎡単価が上昇し、売却損のリスクあり

首都圏のマンション価格の平均「5,884万円」は上半期としては過去3番目に高い水準です。

さらに㎡単価をみていくと、その高止まりの状況がより鮮明にわかります(不動産経済研究所の首都圏マンション市場動向(2017年上半期)より)。

  2015年1~6月 2016年1~6月
(前年同期比)
2017年1~6月
(前年同期比)
東京23区 92.3万円/㎡ 101.8万円/㎡
(+10.3%)
107.3万円/㎡
(+5.4%)
東京23区外 61.5万円/㎡ 71.7万円/㎡
(+16.6%)
71.3万円/㎡
(▲0.6%)
神奈川県 64.5万円/㎡ 72.1万円/㎡
(+11.8%)
69.7万円/㎡
(▲3.3%)
埼玉県 57.0万円/㎡ 59.7万円/㎡
(+4.7%)
61.0万円/㎡
(+2.2%)
千葉県 52.6万円/㎡ 54.4万円/㎡
(+3.4%)
55.4万円/㎡
(+1.8%)
首都圏合計 74.8万円/㎡ 81.7万円/㎡
(+9.2%)
85.0万円/㎡
(+4.0%)

東京都では二桁%も㎡単価が上昇した2016年上半期と比べて、23区内ではさらに㎡単価が+5%超値上がりしています。首都圏全体でみても、2016年上半期で+9.2%、2017年上半期で+4.0%です。

つまり、同じ広さのマンションを買うことを考えれば、2年前の2015年に買えば10%以上安く買うことができていたのです。

新築は、土地や建築費などのコストを足し合わせた積算価格が基本。高値掴みの恐れ

マンションの設備やグレードが上がっているために価格が高くなっているのであればそれも納得できますが、実際のところはそうではありません。

新築マンションは土地の仕入れ値や建築費(人件費含む)などのコストを積み上げて価格が決まる側面があり、建築するタイミングの経済状況によって同じグレードでも高くなったり安くなったりします。

そのように考えれば、今の高止まりしている市況で新築マンションを購入するのは割高な物件を買ってしまう恐れがあり、売る時に大きな売却損がでる可能性があります。

資産性(立地)と価格のバランスを慎重に検討して、購入判断を行う時期といえます。

価格が妥当であるかどうかや、マンションの管理費や修繕積立金の妥当性などはSelFin(セルフィン)でも簡単にチェックできます。ぜひご利用くださいね。

今後、短期的には新築マンションが値下がりする可能性があるも一時的か

不動産経済研究所は、2017年の通年の首都圏の新築マンションの発売戸数を約3.8万戸(前年比+6.2%)と予想しています。

価格高止まりで販売不振を受け、不動産各社が販売を抑えていた新規の大型物件の供給が都心部を中心に今後開始されると見込むためです。

事実、6月単月でみれば、首都圏の新規発売戸数は2,284戸と前年同月比▲25.1%であり、6月としては1992年以来25年ぶりの低水準にまで落ち込んでいます。大型物件の売り出しの多くが、翌月以降に持ち越されたことを示しています。

供給戸数が底打ちする、つまり発売戸数が増えるということは需要と供給の関係から、発売価格が下がる可能性があります。そのため、2017年下期には価格が下がることが考えられます。

土地の仕入れ値や建築コストの高騰など、価格が下がる要因に乏しい状況が続く

しかし、地価上昇による土地仕入れ価格の高騰や(人手不足などによる)建築コストの高止まりといった構造的な価格高騰の問題が解消するめどは立っていません。

その意味では、やはりその価格下落も一時的なものに終わる可能性が高いといえるでしょう。

発売戸数が年間約3.8万戸となれば4年ぶりに前年を上回ることになりますが、それでも4万戸を下回る水準に変わりありませんので本格的な回復には程遠い状況です。

供給戸数が大きく増え、価格が下がるのはまだ先のこととなりそうです。

「今が新築マンションの買い時」と考える層が減少した(アンケート結果)

7月27日、リクルート住まいカンパニー社「住まいの買いどき感」調査(2017年6月度)を発表しています。

これによると、住宅購入検討者の中で新築分譲マンションを買い時と考えているのは「43.0%」と、前回調査(2017年3月)の46.7%より▲3.7%減少している結果となりました。

マンション価格の高止まりを嫌気したことなどから、買い時と判断する層が少し減少したものと予想されます。

一方で、引き続きお金の借りやすさや景況感の改善があり、買い時との判断は根強く残っている模様です(ちなみに、前回調査までは増加傾向にあった、金利の先高観は今回減少しました)。

「おカネが借りやすいからマンションを買う」は後悔する?資産性の検討を!

一つ注意したいことは、おカネが借りやすいからといって(銀行がおカネを貸してくれるからといって)、それがそのままマンションを買っていいことに繋がるものではないということです。

割高な新築マンションに手を出してしまえば、将来、売る時に少なくない損を出してしまいかねません。銀行はあなたにおカネを貸したからといって、あなたの生活が苦しくなるかどうかには興味がないのです。

買うかどうかの判断を行う場合には、「おカネを貸してくれるか」ということよりも、「将来貸せて売れるマンションかどうか」を見極めることが大切です。

例えば㎡単価の推移をみると、ここ数年は過去のマンションより割高であることが分かります。これは、同じ広さを建築するコストが上がっていることを意味しており、将来売り出す時にライバルとなる過去のマンションに比べて、価格競争力が劣ることを示唆します。

このように、「資産価値」という視点で不動産を購入すれば、長い目でみて安心・安全・快適な生活が実現できます。ぜひ、後悔のない住宅購入をしてくださいね!

 

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