マイホームを高く売るには他人が喜ぶリフォームを!奇抜なデザインはNG

資産価値を向上させるリフォームは将来の買い手が喜ぶか?他人目線を持つ

「マイホーム」という和製英語に象徴されるように、住宅を購入したら自分好みに、自分だけの家として思い通りに部屋を改造して楽しみたいという気分になります。

しかし、自宅は他人にわたるということを前提としておく時代といえます。資産価値という視点でみれば、リフォームを行うことを考える際にも次の買い手のことを想像してみてください。

リフォーム・リノベーションを行う前には、一度立ち止まり、自宅はマイホームではなく「OurHome」(アワホーム)ということを念頭に置くことが大切です。つまり、他人目線で「将来の買主が喜ぶだろうか?」ということを考えましょう。

今や住み替える時代であり、資金を得るためにいつ住宅を売ってもおかしくありません。一度購入すれば一生その住宅を手放さないというわけではないのです。

むしろ、住宅市場を定期的にチェックし、高値で売れる相場の時に売るという方法は資産形成にも有効です。ここではどのようなリフォームが売却価格を維持できるかをみていきましょう。

資産価値を高めるリフォームとは?ポイントは「将来の買主が喜ぶか?」

自分が最高に住みやすい家は、他人が気に入る可能性は低い?結果、安値売却に…

あなたが中古住宅を買うことを考えてみましょう。立地がとてもよく、予算内の物件があります。

中に入ると、浴室にアメリカ映画に出てきそうな泡風呂が設置されており、あちこちに増改築された部屋や中二階もあります。ツギハギの本棚などの造作物もあり、特別仕様の仕事部屋まであります。

これはすべて売主(住宅の所有者)が自分の好みに従ってマイホームを改修や設備入れ替えを続けた結果です。これらは、不動産先進国アメリカでもやってはいけないリフォーム・リノベーションとして紹介されているものです。

売主にとっては最高に住みやすい家かもしれませんが、多くの買い手にとっては遠慮したいと思うでしょう。こだわりを強く反映すればするほど、将来の買い手候補を絞っていることになります。

売主は、その家をみて「自分が探していたものだ!」と感じる買主を長い時間かけてみつけるか、もしくは値段を大きく下げて売らざるを得なくなるでしょう。これまで多額の費用を投じたのに、回収できない結末を迎えてしまうのです。

アメリカ版、やってはいけないリフォーム・リノベーションとは?

そのリフォームは消費か投資か。奇抜さを求めるかスタンダードを選ぶか

リフォーム・リノベーションにも、消費と投資があります。

消費リフォームというのは、自分のためだけに行う改修で「自分以外には理解してくれる人が少ないかな」というような奇抜なデザインとするようなものを指します。デザイナーズマンションのようなリフォームも要注意です。

将来の売却時には、これらがマイナス要素に働く可能性があります。費用をかけても、最終的にはその部分を取り壊さなければならないか、売却価格を値下げすることになりかねません。

一方で、投資リフォームとは、万人受けするスタンダードな改修といえます。また、耐震性や断熱性など住宅性能の向上も含まれます。これらは、将来の売却時に価格を上乗せでき回収できる可能性が高いものです。

必ずしも明確な線引きができるわけではありませんが、おカネをかけても他人に受け入れられず撤去費用まで掛かってしまう消費なのか、将来の売却価格に上乗せできる投資なのかという視点をまずは持ちましょう。

快適な住環境を創る自分好みのリフォームも必要。頭の片隅で他人のニーズも意識

消費リフォームが決して悪いというわけではありません。自分にとって快適な住環境を作ることは大切です。

しかし、住宅購入や改修は大きなおカネが動きます。短期的な視野のみならず長い目でみて考えることも大事です。

自分視点でこれは素晴らしいリフォームだと思っていたのが、最終的に価格が安くなっては資金的には残念な結果となります。

そのことをあらかじめ理解した上で、消費としてのリフォームを実施するか、または撤去しやすい方法を取るなど他の方法で対応することを考えたいものです。

自宅にも他人のニーズを取り込むという視点を少し持つだけで、将来の売りやすさも変わります。投資と消費、その違いを理解した上でバランスの良いリノベーションを心掛けてくださいね。

動かせない設備は商品ラインナップから、住宅から撤去する家具は自由に

消費・投資リフォームは、自分らしさ(奇抜さ)とスタンダード(標準)の違いといえます。

泡ぶろの浴槽やオーダーメイドの華美なキッチン、造作物など、自分(売主)らしさやこだわりが追及されればされる程、将来の買い手候補は狭まっていく可能性が高まります。

キッチンやバスルームの他にも、トイレや床・建具などなかなか交換しない住宅設備も慎重に見極め、スタンダードなものを選定するとよいでしょう。

または、グレードをあげるにしても、オーダーメイドでカスタマイズするのではなく、原則として既存の商品ラインナップで高級品を選ぶことが無難です。

例えばトイレであれば、タンクレストイレとして空間を広げるような設備交換は買主に喜ばれるでしょう。

壁紙などの消耗品や、引っ越しで持ち出す家具・家電などはこだわりを持って選ぶ

一方で、机やいす・ソファーなどの家具、冷蔵庫や洗濯機などの家電などは引っ越し時に売主が一緒に持ち運びます。

このような「住宅に残らないもの」には個性を打ち出して問題ないといえるでしょう。

また、家の印象を大きく変える壁紙など、元々消耗品であり交換することを前提とされているものであれば奇抜なデザインでもよいでしょう。自分好みにアレンジしても大きな痛手にはならいないといえます。

(壁紙交換費用が売買代金から調整される可能性はありますが)張り替えれば将来の買主が簡単に自分の好きな色味や機能を持った壁紙に変えることができるためです。

自宅の売却は当たり前に?今後は利便性の高いエリアに住み替える時代に

日本では「終の棲家」という言葉に代表されるように、買ったら最後まで自分が所有して住み続けるという意識がまだまだ高いと感じます。

他人に売ることを考えながら生活する意識は薄く、「自宅を売却した」というと、「(強制的な)処分」という意味合いに近く、なにか後ろめたいというイメージが沸くという声も聞くことがあります。

また、日本では家族の事情や趣味、好みを最優先して、独特な個性あふれるデザインのリフォーム・リノベーションを行うことが当たり前という風潮もあり、テレビ番組でも度々紹介されています。

しかし、コンパクトシティや人口の一極集中(二極化)などをみても、利便性の高いところに住み替えるライフスタイルが今後は主流となっていくでしょう。

“Myホーム”から“Ourホーム”へ。外壁補修や耐震性・断熱性など住宅性能向上も

そのような時代には、不動産という大きな資産とうまく付き合うことでキャッシュを生み出していくことが必要となると考えられます。

Myホームという意識で住宅と付き合っていき、自宅をカスタマイズすればするほど、将来の買主の数を失っていくことを意味し、あなたの家が売りにくくなります。

また、目に見えるところをリフォームしがちですが、本来は外壁や屋根といった住宅そのものの天敵である雨水の侵入部分のメンテナンスや、耐震性や断熱性といった住宅性能をあげる改修工事が価格に反映されやすいものです。

資産価値という視点でみれば、Ourホームという意識で他人のニーズを取り込み、住宅を長持ちさせる(長寿性を向上させる)修繕を行うことが大切です。

もちろん自分の快適な住環境を創る「消費リフォーム」も適宜取り入れることも必要です。バランスの良いリフォーム・リノベーションを行って、トータルで賢い暮らし方を実現したいですね!

【P.S.】失敗しない家の買い方を2時間でマスター!【大好評セミナー】

現在「家の買い方セミナー」(無料)を開催中です。

多くの方から高い評価を得ているこのセミナー。まだ家を買うかどうか決まっていない方から、既に取引を進めている方までぜひお気軽にご参加ください!

不動産屋の選び方・物件の見抜き方
物件サイトに潜むリスク・落とし穴
【実例】危険な取引/住宅購入の失敗
取引を有利に進める3つのコツ etc…

※【実績】最高評価“来て良かった!”が98%超!