サブリースのリスクが顕在化。全国で100人以上のオーナーが一斉提訴!?

2017年2月22日、愛知県の男性(80歳)がサブリース大手のレオパレス21を相手に訴訟を起こしました。

訴状や報道によると、サブリース契約時に「10年間は賃料が変わりません」という契約で2階建ての賃貸アパート(20戸)を建てたにも関わらず、6年後に賃料を減額されたというものです。減額分の支払いを名古屋地裁に起こします。

具体的には、2005年1月に月額約「78万円」でサブリース契約を結んだものの、2011年に「経営が苦しい。このままでは倒産してしまうから減額させてほしい」という要望を受け入れる形で2011年10月に約「▲10万円」(約▲13%)の減額を受け入れました。

しかし、業績回復後も家賃設定が戻らないことから賃料の増額と、交渉を始めた2016年7月からの差額約「81万円」の返還を求めているのです。

この男性のみならず、減額トラブルは全国的に相次いでおり、少なくとも100人のオーナーが一斉提訴を検討しているとも報じられています。

「家賃保証」は金額を保証するものではない!一方的な解約リスクも

サブリース(一括借り上げ)契約は、オーナーから全ての部屋を借りた会社(レオパレス21)が入居者を募集し部屋を貸し付ける「又貸し」に過ぎません。

借主であるサブリース会社は借地借家法で手厚く保護されるため、どのように契約に記載されていようと(定期借家契約でなければ)家賃の値下げ交渉が当然に行われます(借地借家法32条1項に基づく賃料減額請求)。

「家賃保証」などと謳っていても、それは家賃を支払うこと自体を保証するものであって、家賃の「額」を保証しているものではありません。残念ながら借主が事業者であっても、個人と同様に借地借家法の保護を受けることは、2003年の最高裁判例でも示されています。

さらに、サブリース会社から一方的に解約されるリスクもあります。一方で、オーナー側から中途解約することはもちろん、契約が満期になった場合にもサブリース会社が契約更新を望んだ場合、特別な理由(正当事由)がないと契約を打ち切るのは難しいとされています。

その他、管理がずさんになりがちな点や、敷金・礼金・更新料はサブリース会社の懐へ入ることなど、極めてリスクの高い契約です。しっかりと会社と信頼関係を結んだ上で行わなければなりません。

相続税課税強化などを受けトラブル急増。国交省や金融庁も懸念した矢先

国交省は2016年9月より、賃貸住宅管理業者登録制度に登録している会社に対し、サブリースを契約する際に将来の家賃減額リスクの説明や書面交付などを義務付けたばかりでした。

サブリースというのは、なにか魔法のようなノーリスク・ミドルリターンの投資手法ではなく、個人への賃貸となんら変わらずリスクのある契約であることを今一度周知することを目的としています。

ただ、業者登録制度自体が任意であるため、この制度の有効性を疑問視する声もあります。

特に、相続税が課税強化されたことなどを受け、これを好機と捉えた銀行やハウスメーカーが「相続税対策になる。家賃保証でリスクなし」などと誤解を招く営業が一部で横行しているとされています。

昔よりトラブルは起こっており、最近ではこの事態を重くみた日銀や金融庁が地銀などの営業提案の内容を調査、場合によって是正する事態にまでなっていた矢先でした。

本来はお互いが家賃の減額・増額交渉できる「借地借家法」。悪用に注意!

周辺相場に応じて、契約内容と実際に支払われる家賃の水準がかけ離れた場合に、家賃の増額または減額を要求することは合理的といえます。

オーナーからお部屋を借り受け、それを第三者に貸し出すサブリース会社は、空室であってもその賃料を支払う義務を負うためリスクを負っています。オーナーも、地価上昇などに伴いって契約した家賃より相場が上がれば、増額を要求できます。

本来、状況に応じてお互いに権利を行使できるものとなっています。

問題となるのは、地方の新築アパートであれば家賃が順次下がっていく(増額は考えにくい)ことを業者であればわかっていたのに、「家賃の額は下げません!」と一方的なリスクを取ることを宣言して契約を促すことです。

蓋を開けてみれば伝家の宝刀「借地借家法」を抜いて、実はオーナーに一方的なリスクを負わせようとしていたことが露呈するのです。

管理会社をパートナーとして味方につけ、オーナー自ら経営に関わるのが王道

原則としてサブリース契約を結ばず、オーナーが不動産経営の社長として自ら意思決定を行い、力のある管理会社をパートナーとして物件の管理や客付け活動をしてもらうことが望ましいといえます。

サブリースはいわば「収益を度外視した丸投げ」の状態で、事実上、相手に解約権を握られてしまいます。

もちろん、優良なサブリース会社も存在することは確かです。契約を結ぶ場合にはしっかりとその会社と話し合い、認識をすり合わせた上で決断してください。

これまで何度もこの問題は繰り返されています。今回の訴訟の判決によっては、実態に見合った新たな判断が下される可能性もあります。健全な不動産投資環境を作るためにも、この問題をしっかり見守っていきます。

 

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